Sunday, December 10, 2017

2017年ベストアルバム10


2017年の個人的ベストアルバムを10枚。
  1. Jessica Hoop / Memories Are Now
  2. ジャンル
    Indie Folk
    レーベル
    Sub pop
    アメリカのインディーフォーク系シンガーソングライターの6作目。影響があるのかどうか不明だが、一聴してフアナ・モリーナやホセ・ゴンザレスなどとも共鳴するような音響世界を展開するフォークミュージック。

  3. Boris / Dear
  4. ジャンル
    Rock
    日本のストーナーロックバンド25周年のリリース。さすがの貫禄。ギターの音色が素晴らしい。

  5. Tigran Hamasyan / An Ancient Observer
  6. ジャンル
    Jazz
    レーベル
    Nonesuch
    アルメニア出身のピアニストがほとんどピアノと自身の声だけで作り上げた意欲作。バロック音楽のような響きからビートボックスまで飛び出す曲まであるが、やはりピアノのタッチが美しい。

  7. Chris Thile & Brad Mehldau / Chris Thile & Brad Mehldau
  8. ジャンル
    Jazz / Bluegrass
    レーベル
    Nonesuch
    現代ジャズピアノの最高峰ブラッド・メルドーと、ブルーグラス/アメリカーナのバンドとして注目を浴びるパンチブラザースのクリス・タイルのデュオアルバム。曲を歌わせるということについてここまでのクオリティで実現しているアルバム、ミュージシャンはそういないと思わせられる。

  9. Tony Allen / The Source
  10. ジャンル
    Afro Beat / Jazz
    レーベル
    Blue Note
    フェラ・クティを支え、アフロビートという一ジャンルを築いてきたドラマーによるBlueNoteからの新作。1940年生まれというからもう77歳ということになるが驚きの好盤。まさにアフロビートとジャズの旨味を凝縮した演奏。

  11. Craig Taborn / Daylight Ghosts
  12. ジャンル
    Jazz
    レーベル
    ECM
    TzadikやThirsty Earと言ったレーベルからもアルバムを発表しているアメリカのピアニストによるECMからのアルバム。ちなみに今回リストには入れていないが、本作に参加しているChris Speedのトリオ作も佳作だった。

  13. Vince Staples / Big Fish Theory
  14. ジャンル
    HipHop
    レーベル
    DEF JAM RECORDINGS
    若手ラッパーによる2作目。今年はケンドリック・ラマーも新作「DAMN.」を出しているが、こちらの方がエッジが立っていて好み。とはいえそのケンドリックも参加して好演している。

  15. Gorillaz / Humanz
  16. ジャンル
    Alt Rock
    レーベル
    PLG
    デーモン・アルバーン率いるGorillazの7年ぶりの新作。麻薬的にキャッチー。しかし最近のライヴ動画とか見ると完全にデーモン以下ミュージシャンが普通に演奏するようになってるのね。

  17. Vijay Iyer Sextet / Far From Over
  18. ジャンル
    Jazz
    レーベル
    ECM
    インド出身の現代を代表するピアニストによる3菅を伴ったセクステット構成の新作。ピアノトリオでリズム的なチャレンジの多かったECM前作も素晴らしかったが、そこにアンサンブルの要素を導入した佳作。

  19. Arca / Arca
  20. ジャンル
    Electronic
    レーベル
    XL
    前作はインストだったが、今作は自身のヴォーカルをフィーチャーしたアルバムとなった。その影響もあって異常なまでの官能美。

Sunday, November 26, 2017

アラザルvol.10 「芸術/音楽、そして世界と主体3 即興の到来」への補助線

アラザルvol.10によせた原稿、「芸術/音楽、そして世界と主体3 即興の到来」について、印刷された本文だけでは伝わりきらない部分などを補足したいと思います。

part2があるかは未定ですが、とりあえず論考で取り上げた音楽作品について、YouTubeで見つかるものを貼っておきます。

Eric Dolphy - Outward Bound

ドルフィーの初期作。ハードバップ的でありながら、そこからの離脱も感じさせる佳作。


Eric Dolphy - At The Five Spot, Vol. 1

ドルフィーがブッカーリトルと組んだコンボでの名盤。冒頭ファイヤーワルツでのアルトの奔放なソロは必聴。


Steve Lacy, Derek Bailey / Company 4

本論ではベイリーの音源について具体的には触れなかった。ここでは個人的に愛聴しているスティーヴ・レイシーとのデュオ作である本作をあげる。レイシーの演奏は特に演奏技術の面で比較的トラディショナルな要素を引き継いでいるが、むしろそれによってベイリーとの対比が際立っており、演奏にも緊張感を与えている。


AMM / The Crypt

コーネリアス・カーデューが参加しているAMMの名盤2枚組。
「Coffin Nor Shelf」という曲もあるはずなのだが発見できず。

Like a Cloud Hanging in the Sky?
Neither Bill nor Axe would Shorten its Existence

Friday, November 17, 2017

批評誌アラザルvol.10

批評誌アラザルvol.10、ついに11/23(木・祝日)の文学フリマで初売りです。ブースは(カ-72)です。僕は「芸術/音楽、そして世界と主体3 即興の到来」というタイトルで寄稿しています。連載3回目にして最終回。ようやく語ろうと思っていた即興について論じることができました。結構時間もかけて書いたので(とはいえ最後締め切りにあわせて脱稿した感じになりましたが)、是非読んでもらいたいです。もちろん僕以外の原稿も力作が揃っています。

また企画ものとして『スウィングしなけりゃ意味がない』の佐藤亜紀氏のインタビューがあります。西田さん渾身のインタビューで、軽快だけど読み応えのあるものなのでこちらもお楽しみに。

あと、今号ではカバーデザインも担当しました。実は前から機会があればやりたいと思っていたけどなかなか思い切りがつかなかったのですが、今回諸々の経緯で担当することになりました。極限までミニマルな感じにしましたが、実際印刷あがってきてどんな感じになるか。若干の不安とともに楽しみにしているところです。

今後文学フリマ以外でも買えるようにできると思いますが、文学フリマでは特別価格にて提供予定なので是非足を運んでください!(しかし僕は事情により参加できないのです。残念!)

第二十五回文学フリマ東京 開催情報

http://bunfree.net/?tokyo_bun25

アラザルTwitter: @arazaru



Thursday, July 27, 2017

Folklore Magic Jazz Collective Live at 東中野 ALT_SPEAKER 2017/09/09 (土)


来る9月9日(土)、僕が主宰しているFolklore Magic Jazz Collective (FMJC)というジャズバンドでライヴをやります。

去年くらいから大学のジャズ研の後輩を中心にうまい面子をピックアップして平日の夜にセッションを始めました。そこでいい感じになってきたので、僕の好きなジャズを、つまりアコースティックで、音響的で、非日常的=祝祭的であり、過去のジャズからの連続性があり、つまり伝統的であり、しかし現代的であり、前衛的であり、かつポピュラリティがある、という音楽を目指してFolklore Magic Jazz Collectiveというバンドとして今回ライヴをすることとしました。

自分のジャズバンドをやるのは大学を卒業して以来なので相当に久しぶりです。僕の演奏に拙いところもあるかもしれませんが、そこは凄腕のメンバーが補ってくれるでしょう。

また僕の参加している批評家集団「アラザル」から安東三をゲストラッパーとして迎えているのも聴きどころです。ジャズスタンダードにラップをのせるスタイルは僕の知る限り多くはないと思いますが、なかなか面白い演奏になるはずです。

ご都合が合えば是非お越しください。



Folklore Magic Jazz Collective × OMPJ
Live at ALT_SPEAKER

場所: 東中野 ALT_SPEAKER http://altspeaker.com/
日時: 9/9(土) 開場 19:00, 開演 19:30, 終演 22:00
チャージ: 1,500円 (1 drink別)

Folklore Magic Jazz Collective (FMJC):
大木恵理 fl, 今井未来 tb, 杉森大輔 gt, 矢崎美波 pf, 二重作翔 ba, 竹林悠理 dr
feat. 安東三 (from アラザル) rap
都会の地下に森を呼び寄せ、ジャズにマジックリアリズムを纏わせることをコンセプトに2017年杉森を中心に結成されたジャズバンド。
初ライヴとなる今回は、バンドとは別に杉森が所属する批評家集団「アラザル」から安東三がラッパーとしてゲスト出演する。

OMPJ:
小倉大都 tp, 町山 亮介 sax, 石垣 陽菜 ba, 油布 郁 dr
構想数年を経て2017年結成。聴きやすい音楽を目指し、所謂どスタンダードジャズを除く幅広いジャンルに取り組むクインテット。また、メンバーのオリジナリティーを試す場、プロジェクトでもある。