Tuesday, May 27, 2008

日記 2008/5/27

・かなり更新が止まっていましたが、文フリで力つきた、という訳では決して無く、既にして更新作業に飽きた、というわけでもとりあえずは無く、実は先日引っ越しを致しまして、その準備で相当に忙しかったのと、引っ越しがすんでからは家でネットに接続することができないという、現代人にとっては極めてクリティカルで物理的な限界(とはいうものの会社では使えるので、日常生活には不自由しなかったのだが)により、更新しようにもできない日々が続いていた訳です。

・新居は神奈川県は川崎市。近くへお越しの方はお立ち寄り下さい。

・しかし僕は全く読書家とは言えないわけだが、引っ越しとなるとそれなりに本の移動が大変であった。多くの本は一つの本棚に収まっていたはずなのだが、いざ段ボールにつめ出すと意外なほど量になった。CD/LPについてはかさばる上、部屋が片付いてからじゃないとオーディオもセットアップされないことが目に見えているため、一部をのぞいて大部分はまだ旧家に残したまま。つまり第2次の引っ越しが残っているようなものか。そういえばギター類も6本くらいあるが、とりあえず普段使うギブソンの2本のみ持ってきた。去年買ったビアンキのロードレーサーは今度乗ってこよう。と思っていたが、そんなこと行ってるとどうせずっと先になってしまうので、これは車で運んだ。

・更新してない間に読んだのはフリオ・リャマサーレス「狼たちの月」、本谷有希子「グ、ア、ム」、ジョージ・オーウェル「動物農場」、あとアラザルの原稿。他にもあった気がするが失念。「狼たちの月」は内戦後に敗走兵となった主人公が、治安警備隊から逃れるために山の中に身を隠しながら、強烈な孤独の中で生き延びる姿を、悠然とした自然の描写の中で浮き上がらせていく作品で、非常に読み応えがあり、感動した。

狼たちの月

・今は円城塔「Self-Reference ENGINE」を読んでいる。いや、これ凄く面白い。ゲーデル的な自己言及の循環の不可能性や、あるいはオートポイエーシス的な自己生成していくシステムを、一つの世界記述言語的に、しかもそれは誤訳しか生み出さないという覚悟の元で淡々と、しかもちょっとオトボケな文体と絶妙なテンポで記述されていく、なんともスリリングな作品。まだ半分くらいしか読んでいないけれども、きっと傑作でしょう。

Self-Reference ENGINE

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