Friday, May 02, 2008

円城塔「烏有此譚」他



・群像2008年5月号で、円城塔「烏有此譚」を読む。
円城塔の作品は今回が読むのは初めてである。ポナイトでのトークショーで、相当変わった話であることは想像できていたが、予想以上。わかりやすいとは言えない話だが、しかし意外と読めてしまう。科学その他、本人もトークショーで言及していた通り相当に衒学的な文が続く。その荒唐無稽とも思える記述がもはや笑いを誘わずにはいない。

しかしトークショーを聴いた後だと、たしかに本作が「私小説」であるという主張も理解できぬというわけでもない気はする。

・早稲田文学復刊1号の蓮實重彦インタビュー「批評の断念/断念としての批評」を途中まで読む。
まあインタビューだから、という軽い気持ちで読み始めたら、なんのなんの、相当に充実した内容であり、しかも長い。文芸批評に於いて、批評家は「全体」というものに対してのある種の断念を持たざるを得ないし、その断念を持たないようなものは批評とは言えない、という話。今までのところ相当に刺激的であり、勉強になります。

・しかし早稲田文学はかなり面白い雑誌なのではないか。まだほんの一部しか読んでいないが。

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