Sunday, November 24, 2013

近況

相変わらず超久しぶりの更新ですが。

今更、テッド・チャンデビュー。短編集『あなたの人生の物語』を読んでいるけど、なにこれ超面白い。特に表題作。言語SFと言われるだけはある。読んだ後にヴォネガットのスローターハウス5と同じような問題設定でもあるよなあと思ったら、作者の解説みたいなページでも同作に関連する記述があった。強い運命論と言うか。ちなみに佐々木敦『未知との遭遇』の主張もそういうところがある。

そういえば少し前に新橋の駅前で古本市をやっているのに出くわし、アーレントとか何冊か見つけて買ってあるのだけど、なかなか読む時間が取れない。しかしこのときは結構リーズナブルな価格だったので見つけて気分が良かった。

ところで、今使っているオーディオの調子が悪いので、CDプレーヤーとアンプを買い替えようかと思っており、新宿のオーディオユニオンまで物色しにいく。

しかしオーディオ、これまた胡散臭い世界ではあるよなあ。今回いくつかCD持ち込みで視聴させてもらったけど、僕は全くこれまでにこだわってこなかったのでよく事情がわからないとはいえ、感覚としてはスピーカーが決まったら音はほぼ決まっている気がするし、2万円以上のプリメインを使っていたら何となくそれなりの良い音がするように感じる。これをさらにグレードアップすると、確かに音の分離性とか、いわゆるHiFiな感じは出てくるのは少しはわかるけど、それが「良い音」であるのはこれまでにそういう文脈が出来上がっているからで、必ずしもそれが普遍的な美である訳ではないよなあ。と当たり前のことを感じてしまいました。いや、高いアンプがよいのはわかりますよ、多少は。そして多少はまともなものを買おうかと思っていますが。(こう書いても全く価格帯が想像つかないのがオーディオの怖いところですなあ。)まあ全て素人の意見です。

オーディオユニオンを覗いたついでに、隣のクラシック館に立ち寄る。少し前に話題になっていたジョン・ケージのピアノ全集(18枚組)を見つけ購入。他にブーレーズ関連の6枚組と、同じくブーレーズの『SUR INCISES』を買う。この『SUR INCISES』をさっき聴いていたが、凄まじく明晰な音響だった。こういう風になっていると、素人的にはもう調性とかそういうことは全く気にならなくなる。専門家がどう聴いているのかはちょっとわからない。しかしすこぶる刺激的。