Wednesday, April 09, 2014

STAP細胞問題について

STAP問題関連でツイッターでつぶやいたことをこっちにも追記して転載。内容は編集してます。

専門家の方が既に指摘してることなので改めて僕なんかがいうようなことではないけど、STAP細胞については、最初の論文がその存在を証明、あるいは保証するための文書だった訳でしょ。それに不備、というか実質的には改竄があって信用できない、となればそれは当然著者に責任がある。だからSTAP細胞の存在を改めて証明したいと思ったら、その根拠になるようなデータなり何なりを著者自身が提示しなかったら話は進まない。それがなされるまでは、STAP細胞なんて存在することを信じる根拠はなにもない(著者たちの「あった」という主張を除いて)。もっと正確な追試が必要とか、人を投入して云々っていうのは、もちろん小保方が社長をしている会社とかであれば好きにやればよい話だけど、その存在を信じるだけの根拠がそろわない以上、税金使ってやるような話ではない。今回の会見でも何度も試験でSTAP細胞の生成に成功しており、ノートも提出していないものがあるっていうんだったら、それを検証できる形にするのが先なのは当たり前。まあ今となっては(提出済みのものも含め)それらのノートが本当に正確な実験結果を記載しているのかは闇の底ではある。とにかく「わたしを信じて」とかいうんだったらその根拠を出せっていう、単純な話な訳でしょ。それをしないんだから全ては確信犯の真っ黒け、と考える以外にないですわな。 というか山ほどある論文の不正に対する説明も実質的に何もありませんね。記者会見で主張されたのは悪気がありませんでしたとかいう謎の言い訳くらいのもので。

小保方の論文改竄は佐村河内のゴーストライター問題と重ねて語られているけど、根本的に小保方の方が悪質。佐村河内のほうは、すくなくとも指示書とか言う形で作品の作者と言えるだけのものを持っていた訳だから、新垣氏との共作ということであれば何の問題もなかった。音楽作品が五線譜の形以外で表現されてはいけない理由はないし、実際そのように表現された現代音楽の作品は幾らでもある。もちろん彼の作成した「指示書」の作成は世間の言う作曲行為ではなかったし、彼自身もおそらくそれが作曲行為と呼べるものであると考えてもいなかっただろう。だから彼がやったことは、ブランド品のパチもんで商売していた悪徳業者くらいのもので、詐欺師呼ばわりされても仕方ないとは思えど、なんというかあえて目くじらたててどうこう言うほどのことではないんじゃないか。要はただのしょうもないゴシップなだけ。

しかし小保方のほうは科学という、「事実」を扱い、信用が重要であるアカデミックな分野で不正を行った。だから今後彼女の行った研究不正のために、日本の研究者の言うことが信用できないとなれば、今後論文が提出されたらいちいち書かれている実験結果とかまで検証した上でないとその論文が信用できないような状況を作りかねない訳で、科学の研究活動に著しいダメージを与える可能性がある。今回の一件で科学の世界での日本という国の信用が著しく毀損されたかもしれない。これは彼女一人で責任が取れるような問題ではなくなってきている気もするが、理研の対応の悪さもあってもうどうしようもない、っていうのが現状のようですね。そういう意味では早稲田が小保方のいた科のD論を全部調査するっていうのは、そりゃやらされる教授陣およびその教授の研究室の生徒たちにしたらいい迷惑でしょうが、彼らを守る意味でもよい判断じゃないでしょうか。もちろん誠実に実行されればの話ですが。

この期に及んでおぼちゃんかわいそうみたいな反応が多いらしいのを見聞きして、若干絶望的な気分になったので思わずコメントしました。